地球が終わらなかった夜

世紀末星は降らず

ETERNAL2 感想


「ETERNALII 荒野に燃ゆる正義」を観たので覚え書き

ネタバレしかないです

※主にジーン定点/コニーとガッファーも気になる、みたいな見方をしていたので結構偏りがあります
※RAMPAGEさんの現場に初めてお邪魔したのであらゆる事象への解像度が低いです

 

いや〜〜〜〜〜〜ガッファーめちゃくちゃ良かったですね…………(第一声)

 

1作目は王道展開だったのもあって個人的にはそこまで脚本が刺さらなかったんですが、今作は後半の追い上げがすごかったです

ニクラス軍のバックボーン辺りから好きなテーマ(正義の相対性)に触れていたのとガッファーのキャラクター造形が天才で……

 

以下 役ごとに感じたことをつらつら書いています
順番はプログラムの掲載順

 

レンブラント

シンプルにお歌がお上手
生歌でも声量も音程も安定していてすごい〜……
RIKUさんの伸びやかで真っ直ぐな歌声がレンブラントの持つ底なしの善性や光属性感とマッチしていてレンブラントという役としての説得力を感じました

劇中でレンブラントが語る理想の国家というものは本当に苦労を知らない甘ちゃんの理想論でしかないんですよね
それでも理想を理想で終わらせないため、あらゆる立場の人を理解しようと手を伸ばし、対話を試みる、そこがレンブラントの最大の美徳で王の器たる側面だなぁと思いました 甘ちゃんの理想論こそが真の平和を作るのだ……*1

「すまない、すまない」のシーン大好きです

全てを掬い上げようとするレンブラントの姿勢は本当に美しいんですが、ファルサリアの皆さんのような救済を求めていなさそうな人と対峙した時に彼がどう対応するのかがすごく気になりました

次回作以降でその辺にも触れるのであればより作品としての深みが増しそう

 

クロエ

長谷川さん、すごくクールな雰囲気のある美形だなぁという第一印象だったんですが、クロエはその印象を覆すような血の気の多いアツい役でこのキャストにこの役をあてるのか〜という意外性がありました

物語冒頭のクロエの「オルドのことを殺したい(ほど憎んでいる)」といった内容のセリフは残虐にも思えます
ですがこのクロエの感覚こそがロッツフォート公国側の人間の中では一番"普通"で多くの人が共有している価値観なんですよね、多分
一見極端にも思える意見や価値観を、情に厚く人の良いクロエに背負わせることで観る側にストレスを抱かせないバランス感覚が上手い
マティアスに手当を申し出るシーンがクロエの変化と成長を感じられて好きです

 

ジー

前作でも散々言いましたがお芝居がすごく好きです
感情が自然に乗っていると言うか情動の流れが辿りやすいというか……

上手く言語化できないんですが、役として感情を咀嚼し、その咀嚼した過程も含めて客席に伝わるように表現するのがお上手だなと勝手に思っています
今作ではルークに掴みかかるシーンとコニーにネズミちゃんを託されるシーンが特に印象深かったです 表情がはちゃめちゃに良い
襟にネズミ入れてもそもそしてるところ、大変にキュートでした
「どんな国にしたいのか」談義をしている時のレンブラントに向ける呆れの混ざったような所詮綺麗事だろ、とでも言いたげな表情も細かくて良かった…… 「コイツはぜってぇに殺させねェ!」のギラついた目も好き キリがないのでこの辺でやめます
重心低めな殺陣もかっこよくて好きです
序盤は上の立場の人に考えることを丸投げしていたジーンが当事者意識を持ち、自分の頭で考えるようになったり、クロエと同じく彼も劇中での大きな成長を感じさせる役だったなぁと思いました

 

キャメロン

前作に引き続きコメディ担当っぽい部分はありつつもその実すごく実直な人
オルドに部下を殺された彼が最も強い恨みを向けるのはオルドではなく自分の力不足なんですよね
レンブラント程では無いのですがキャメロンもレンブラントと同様に甘さと紙一重の優しさを感じさせるなぁと思います
終盤、マティアスとの「手を握ると何か変わると思ったんです 握り返されたことにほっとしました、温かいのにも」「当たり前だろ、生きてんだから」のやりとりがこの作品のテーマ!!といった感じで好きです
人間もオルドもミックスルーツも等しく同じ命で家族や仲間がいて信仰があって……という結論に至れたんだなぁと
キャメロンの持ち味でもある飾らない言葉や素朴な優しさが沁みました


ルーク

レンブラント様強火担かと思いきや、意外と一番冷静に周囲を見れる人
前作の裏切りのくだりでもそうなんですが、私を切り捨てて公や大義のようなものを優先できるのかなぁという印象を受けました
そういった冷静で厳格、みたいな表層を保ちながらも、胸の内にすごく熱いものを秘めているように見えてかなり好きな役でした
殺意高めな殺陣もツボです
仲間と話している時にチラッと見える微笑みがかわいくて好きです

キレッキレでエネルギッシュなダンスも素敵でした

 

リーフェン

滲み出る気品がすごい
お顔立ちがロイヤルな上に、王族らしい余裕のあるゆったりした立ち居振る舞いが効いていてずっと優美でした 殺陣にも余裕がある
レンブラントの足りない視座を補い導くという役でもあり、すごく兄らしさが出ていたなぁと思いました

 

ニクラス

お芝居が上手い
MA55IVEの曲を聞いた時も思ったんですが、山本さん、声がめちゃくちゃ良いですね……
声を張るセリフでも発声がすごく安定していたり、立ち姿も良くて見ていてすごく安心感がありました
演出の話になりますが「Moon and Back」の「大切なものを踏み躙られないように」の歌詞でニクラス部隊にスポット当たるのがめちゃくちゃに好きです 2回目を観た時にいい意味でこれはズルいな〜と思いました

自らをオルドと自認して誇りを持とうとする気高さと物悲しさが良い、、 マティアスパートだけど「固く結べ誇りのchain」って歌詞が良すぎる
「すまない」って言いながら抱きしめるレンブラントのことを振り解かないニクラスで情緒が終わった


コニー

殺陣が上手すぎませんか????
メインキャストの中でコニーだけ実質素手(言い過ぎ)みたいな装備だったのに頼りなさを一切感じさせない動きが凄かったです
動きそのもののダイナミックさがとんでもなく、ただ高身長だから、だけではない圧倒的な存在感と華がありました
口を開くと一転、気弱で心優しく、ぽしょぽしょ喋るギャップも魅力的でかなり好きなキャラクターでした
ジーンにネズミちゃんを託したりと、敵か味方かで物事を考えるより、自分の判断基準を優先出来る芯を持っているところも良かったです
彼の存在が誓約団と二クラス部隊の架け橋になっている面もあるのかなぁと思いました

MVなどを見ていて武知さんのダンスはすごくパワフルな印象が強かったのですが、劇中では感情の乗ったしっとりしたジャズダンスをされていて、それがまたはちゃめちゃにお上手でだいぶオペラ盗まれました
ニクラスとのコンビがかなり刺さっているので次回作も楽しみです

 

オズヴァルト

お芝居お上手だな〜と思いながら見ていたので演技初挑戦だったことを知ってめちゃくちゃビックリしました
セリフを言っている時も良いお芝居だったんですが、殺陣などのセリフの無い場面であっても表情の作り込みが繊細で素敵でした
大斧の殺陣も大迫力ですごかった

 

マティアス

アナウンサー体験を視聴した時にも思ったんですが、声での表現がすごくお上手……

多彩な声色を場面によって使い分けることでセリフに厚みが生まれていて良かったです

何となくマティアスは一番掴みどころの無いキャラクターだなぁと感じていたのでラストでそういうこと?!?!?!?となりました
目がすっっっっごかったですね……
前述した通りキャメロンとのやり取りがすごく好きなので裏切られた!!!!!というショックがだいぶ大きいです
言われてみれば「(イムランとガッファーを)クビには出来ねぇだろ」とひっそり庇う内通者仕草(?)してたな……
次回作での活躍が早く観たい

 

ガッファー

一番の刺さり役でした
セリフが多くない、且つ「感情を表に出さない」と明記されている役での表現ってなかなか難しそうに思えたのですが、表情が大きく動かないからこそ僅かな変化が尋常じゃなく映える、という強みの活かし方がすごかったです
「命を奪えば奪うほど神に近付く」で片頬を吊り上げて薄く笑うのがま〜〜〜良くて良くて………
ひたむきに神を信じる純粋さとそれゆえの狂気との狭間にいるという凄みや怖さを感じました
あとは「花を供えると天国へ行けると聞いた」の時のつるっとした無垢な表情や訥々とした語り口もほんっっとに良かったです 緩急の付け方が良すぎる 語彙がない為に良いしか言えないオタク

脚本の話をすると、ガッファーの残虐性や狂気を表しているように思えた花が、実は実は相手への敬意、もっと言ってしまえば思いやりによるものだった、というオチが非常に象徴的だと感じました
話し合わなければ人は互いに互いを理解出来ない、とか偏見と誤解による不理解が争いを生む、みたいなやつです

殺陣も細身の日本刀なのに一撃一撃にしっかり重さがあって太刀筋も綺麗でした
抜刀殺陣好きだ〜……

 


イムラン

シンプルにお芝居が上手い
立ち姿から殺陣から舞台上にいる時に常に100%役として存在していて隙がない
神を呼びながら旅立つイムランとそんな彼を「聖なる月の加護のあらんことを」と自身の信仰で送り出すレンブラントのシーン、好きです
次回作恐らく出演されないんだろうな〜……悲しい……
イムランとガッファーとマティアスのファルサリアスピンオフ前日譚が欲しい……設定だけでもいいので……


ライブパート

ライブに行くという行為が高校生以来且つ歌い手と地下アイドルの現場にしか行ったことが無いのでここからはかんっっぜんに未知の領域でした
演出がもう知らない世界 レーザー?ですかね、なんかビカビカしててすごかったです

「Hands  up!」って煽りで客席が本当にハンズアップする文化が新鮮でした
RIKUさんのソロ歌唱にしてもパフォーマーの皆さんのソロパートにしてもあの広いステージを1人で埋められる方が集まってグループで活動してるのすごいなぁ〜………
MA55IVEの5人のパフォーマンスがあったり、その曲を龍さんが作っていたり、メンバーそれぞれの得意なこと/やりたい事を伸ばそうという方針があるの素敵だなと思いました

16人全員揃ったパフォーマンスすごそう

 

余談

ガーデンシアター盆回りとかセリが多分無い?の転換大変そうすぎるな、と終始思っていた

LDHキャストの生命力が高すぎる

ラップの「傷は今も絶えず続くETERNAL」って歌詞、タイトル回収がやるせなくて良い

ジーンのパートが「底辺から這い上がって今ここに」なのキャラのバックボーン感じられて好きだ〜

「世界が崩れる前に出逢えますように」って誰が誰に当てた歌詞なんだろう

知らない界隈の現場に行くのに割と勇気が必要なタイプのオタクなんで現地に行くか結構迷いましたが、千秋楽配信での陣さんのコメントを聞いて改めて観に行って良かったな〜と思いました (もちろんパフォーマンス観た時点でも行って良かったなと思った)

次回作あったら(やるもんだと思ってる)またお邪魔したいです

CL加入したのでちまちま動画見てます、みんなかわいい

 

こっちに書き忘れた感想

 

*1:はやみねかおる『怪盗クイーンからの予告状』講談社 での夢水清志郎の発言の受け売りです